2017.1.28 (土曜日)

エルミタージュ鍼灸院

エルミタージュ鍼灸院 原薫先生 / 正木なつね先生

平成23年 鍼灸科夜間部卒業 エルミタージュ 鍼灸院院長

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本校卒業後、174
治療院勤務を経てクラスメイト同士で開業。
はじめは集客に苦心するも、一念発起して経営・マーケティングについての勉強を重ね、見事集客に成功。現在は「不妊鍼灸院」として、不妊に悩む女性や男性に手厚い治療を行っている。

治療院の状況について

卒業してから開業までの準備は?

原:卒業式直前に、3.11があって。正木先生と女川町に行ったんですよ。 022
そこで、鍼灸師デビュー。体育館とか段ボールハウスの中で鍼を打ってて。それが鍼灸師としての最初の仕事になりました。
正木:開業したのは7月だったかな。でも、卒業するときには何も考えてなかったんですよ。
原:場所は、ここが気に入って。で、やるしかないんだけど、お金もなくてベッドも買えない。徐々に徐々に一個一個足していったんですよ。不妊治療をやろうと思ったのは…ある時期ですね。正木先生は最初から興味があってそういうところに勤めてたんですけど、僕からしたら、ちょっと縁が遠い感じで。正木先生がやっぱり不妊やりたい、って言ったときに知り合いの方にやったら、産まれたんですよね。なんだ、正木先生でできるんだって思って(笑)
正木:(笑)

どういったルートで集客されているんですか?

正木:ほとんどホームページからですね。
原:やっぱり不妊の場合って口コミもしづらいんですよね。あなた不妊ですか?とか言えないし。
正木:ご本人は治療してること自体言わないので。ただ、同じ悩みを持ってて相談し合っている方だと、紹介していただけることはありますね。月に2,3名くらいかな。あとはご夫婦間での紹介、とか。

患者層について教えてください。

正木:二人目不妊の方とかもいますから、不妊で悩んでる方だけじゃなくて妊婦さんや子どもも来ますよ。
原:どうも鍼灸師さんは妊婦さんが苦手なんですかね。マッサージ師さんもそうだけど、やってくれないところが多いらしい。で、うちを見ると子ども連れてきていいんだ、って連絡くれることも多いんですよ。
正木:学校ではあまり習わない分野でしたけどね。婦人科疾患の延長って感じで、女性の先生からちらっと。それに、妊娠しました、っていうところから産まれるまでって結構長いんですよ。
原:妊娠はするけど、出産までいたらない。そこにすごくたくさんの方がいて、苦しんでるんですよね…。

治療に関してこだわりはありますか?

正木:問診も、治療も二人でやっています。                         046
原:上半身、下半身で分かれる感じで。本当は一人で入りたいんですけど、ベッドが一台だけだから二人でやろうかって(笑)そしたら、患者さんが喜ぶんですよ。専門病院での移植もして、お金もかけて、でもうまくいかない、うまくいかない、うまくいかない!!を繰り返して、やっと最後に産まれる、っていうメンタル面のケアを、二人だと話もしやすいし。
正木:それに、二人で関わると、手厚いもてなしを、女王様みたい、って喜ばれるんですよね(笑)

東鍼校での生活

鍼灸師になったきっかけは165

原:リラクゼーションとか接骨院とかにずっと勤務してましたけど、最初から本当は鍼灸師を目指したかった。でも、勤務先の関係でまず柔整師の免許をとって、でも、鍼灸師の夢がどうしても捨てがたくて。もう一度取り直すことにしましたね。
正木:以前はオイルマッサージとかタイ式マッサージとかいろいろ学んでたんですけど、でもこれは治療はできないんだよ、って言われて。これは民間資格で、国家資格じゃないから治療はできないんだ、私はもっと深いところをやりたいのに、って思ったんですよね。そんなときに周りで鍼灸いいよ、とか鍼灸師になろうと思う、とかいう人がいて、「鍼灸か!!」と思って。そこから調べて、年明けてから、受験しましたね。

学生時代の思い出を教えてください。178

原:勉強は電車の中でしていたので、良かったんですけど。実技ができて、卒業したらすぐ開業できるくらいのレベルに達するってことが一番の目的だったので、問題は実技。鍼灸って信じられるかどうかが一番大切だと思うんですよ。それを信じさせてくれる先生がいるっていうことが、僕にとっては非常にありがたかった。それが東鍼の一番の魅力でしたね。
正木:体力との勝負でしたね…仕事がずっと立ち仕事だったのもありますけど。でも、楽しかったですね。学校で寝てることも多かったんですけど(笑)
勉強は、電車の中ではできなかったですね。寝てました(笑)中央線で通学してたんですけど、寝過ごすこともたまに…。

国家試験の勉強はどうでしたか?

原:試験自体は受かって当たり前、と思っていました。受からないと仕事できないし。大変なのはその先で。
正木:試験自体はすごく緊張感があったんですけど、1週間くらい前から試験前ってことで休みがあったので、逆にいい時間でしたね。あと、花粉症がその年すごかったんですよ。花粉症との戦い。
原:震災もあったしね…結構バタバタだったかな。

鍼灸師を目指す皆さんへ

マーケティングの勉強って必要ですか?

原:オープンして、痛い目にあいましたからね(笑)ホームページはお金かけずに自分で作ればいいと思って、苦労してやって、全然誰も見ない状況で。開業するまでは、鍼灸の勉強しかしないじゃないですか。それがこう、自分で治療院を始めてみて、誰も来ないって愕然とする。これはまずいぞ、って。そこから、1からマーケティングと経営の勉強をいろいろしました。今は、鍼灸とマーケティングの勉強、両輪ですよね。

鍼灸師を目指す方に伝えたいことは?010

原:やっぱり、経験やその人の個性って財産なので。それは大切にしてもらいたいと思うんですけど、でも何も知らない世界に入るのであれば、それなりの姿勢がなければ通用しないですよね。よくできる若い子に頭を下げて一から教えてください、っていうような。僕みたいにお金もなくて、歳だけとってるんだったら、入口では謙虚さがないとお話にならないと思うので。無垢な気持ちで勉強を始めてほしいなと思います。
正木:どんな仕事でもそうかもしれないですけど、鍼灸師とか、対人の仕事ってやっぱり接客業なので。経験のない方は人と接するような訓練は絶対必要だなと思いますね。できたら学生のうちにもまれておくような経験は、短期間でもいいからしておくとすごくいい。
鍼灸師って、面白いんですよ。一回一回同じように鍼を打ってる感じでも違ってくるし、追求しようと思ったらどこまでもできる、やりたいようにやることもいくらでもできる。自分を膨らませるっていう意味ですごくいい仕事じゃないかな、って思います。

エルミタージュ鍼灸院

□代々木上原駅より徒歩3分      ※不定休
電話  0120-393-890
住所  渋谷区上原3-1-12
ハイネス代々木上原104
ホームページ http://hermitage-acu.net/

□乃木坂駅より徒歩2分
電話  0120-19-8989
住所 港区南青山1-17-2 YZ-CUBE C
ホームページ http://n-hermitage-acu.net/map.html

不妊に悩む女性、男性に、二人がかりのやさしいはり・きゅうを。