灸とは

灸とは

灸の起源については大変古く、すでに中国の春秋戦国時代の文献に記述が見られます。鍼よりも灸が先に治療法として体系化されたとも考えられています。

灸はヨモギを乾燥させた葉をつきつぶして得られたモグサというものをひねり、穴(ツボ)の上などで燃やすものです。戦前は、日本の多くの家庭にモグサが常備され、足腰が痛い、おなかをこわしたなどのときに、灸をすえていました。肺結核を灸で治したという報告も多くあります。

灸には、皮膚に直接モグサをすえるものから、ニンニクやショウガの切片に載せてすえるものまで、多くの種類があります。現在の中国では直接灸はすたれ、棒灸による温法が主体ですが、直接灸の伝統は日本に残り、八分灸、糸状灸など独特の発展をしています。

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灸はひどく熱いという印象を一般に与えがちですが、病人の方にとっては気持ちの良いものです。稀に病気に よっては熱くすえることもありますが、灸は元来気持ち良くすえるもので、熱くすえるものではありません。しかしそのような灸をすえるためにはしっかりとした技術が必要になります。
当校ではまず、指でひねって使用する散モグサを使って米粒大、半米粒大、糸状大(米粒大の約1/8)の円すい形のガイシュ(モグサをひねったもの)をひねる練習を行います。米粒大で1分間に60個を標準とします。それから半分に割った竹の上で手際よく、素早くガイシュに点火できるように何度も繰り返し練習し、1分間に40個を目指します。
その後人体への施灸と順を追って練習し、3年間で一般的な灸法から特殊灸法(棒灸、隔物灸、知熱灸など)までを学んでいきます。このようにして日本で発展してきたとされる灸術を身につけ、指先の加減でいろいろな病気に対応することができるように日々鍛錬するのです。